日本では、医療機関でぜんそくの治療を受けている人は、およそ100万人います。 しかし、ぜんそくであっても、ぜんそくの治療を受けていない人もいます。 その人たちを含めると、実際は5倍近い人数になるとされています。 ぜんそくは、気道が狭くなり、呼吸が苦しくなります。 そして、ぜんそく発作を起こし、繰り返す病気です。 ぜんそくの人の気道は、慢性的に炎症しています。 そして、平滑筋という筋肉や粘膜が厚くなり、上皮細胞の一部が剥がれ落ちなど、内腔がとても狭くなっています。 そこへ、「ダニやほこり」「気温の変化」「風邪などのウイルス」などで刺激されると。厚くなっていた平滑筋が収縮します。 そして、粘膜もむくみ、気道がさらに狭くなることで発作が起こります。 発作が軽いときは、咳や痰が続き、多少息苦しいと感じるくらいです。 しかし、重い症状のときは、「ゼーゼー・ヒューヒュー」と音がします。 呼吸困難を起こすこともあります。 発作が治まれば、気道も元の状態にほぼ戻ります。 そして、呼吸も楽になります。...
ぜんそくの治療には、西洋薬を用いた薬物療法があります。 そのぜんそくの薬物療法は、2種類あります。 1.ぜんそく発作を止める薬です。 「吸入β2刺激薬」などです。 効果として、狭くなった気道を広くします。 そのため、呼吸が楽になります。 しかし、この薬を使用するのは、ぜんそくの発作が起きたときだけです。 2.慢性的な炎症を抑える薬です。 「吸入ステロイド薬」などです。 効果として、慢性的な炎症を抑えます。 そして、発作を起こしにくくします。 この薬は、発作が起きなくても毎日使用して、ぜんそく発作の予防をします。...
漢方治療には、西洋医学とは違い独特の考え方があります。 そこで、漢方治療を受ける前に漢方治療の考え方を理解することも大切です。 漢方治療の考え方とは、体の中を循環して健康を保つ要素として、「気・血・水」の3つがあるとします。 この3つの要素「気・血・水」のバランスを保つことで健康でいることができます。 しかし、量が不足したり、循環がうまくいかないなどバランスを崩すと、体に異常が起こるという考えです。 気・・・生命を維持するためのエネルギーのことで、「脳の働き」「神経の動き」「免疫」なども含まれます。 血・・・血液とその働きであり、同時に運ばれている栄養なども含まれます。 水・・・血液以外のことであり、「リンパ液」「汗や尿」「涙」なども含まれ、体の中の水分のことです。 ぜんそくは、主に「気」と「水」の異常によって起こります。 症状の現れ方は、時期によっても違います。 そのため、ぜんそく治療に使われる漢方薬は、「気」と「水」の異常の状態や病気の時期に合わせて選びます。...
ぜんそくの発作が起きたときは、西洋薬を使用します。 しかし、西洋薬だけでは症状が残ってしまうことがあります。 そのときは、漢方薬を併用して使います。 <気の乱れの場合> 咳がひどく、顔が赤くなるほど咳き込んでしまう場合は、咳を抑えるための漢方薬を使います。 その漢方薬は、「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」「五虎湯(ごことう)」などです。 麻杏甘石湯に1種類の生薬を入れた漢方薬が五虎湯です。 2つの漢方薬ともに、「気道を広げる」「体の熱を冷ます」という効果があります。 <水の停滞> 症状として顔は青白くなり、薄い痰と鼻水が止まらない状態になります。 この症状のときは「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」などを使用します。 この漢方薬には、「麻黄(まおう)」という生薬が入っています。 麻黄を長期間、使用すると副作用が起こることがあります。 副作用の症状は、「胃腸の障害」「不眠」などです。 そのため、麻黄の入っている漢方薬は、ぜんそく発作後、つらい症状の期間だけ4?5日間程度のみ使用します。...
発作が起きてない慢性期に軽度な症状が続いているときは、症状によって次のような漢方薬が使用されます。 <気の異常の場合> 痰がからんでしまうことがきっかけで咳が出たり、のどが詰まったような感じがするときは、「柴朴湯(さいぼくとう)」などを使用します。 <水の停滞や不足の場合> 痰切れが悪く「のど」「気道」「皮膚」が乾燥しているような感じがするときは、「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」などを使用します。 「水」の流れを良くして、不足も補うこともできます。 さらに、消化機能を調整したり、体力も補います。 「柴朴湯」と「麦門冬湯」は、長期間使用することができます。 また発作後や慢性期に使用される漢方は、「神秘湯(しんぴとう)」です。 この神秘湯は、精神を安定させるために効果的です。 健胃や鎮静作用もあるので1?2カ月くらいを目安として、服用を続けても大丈夫です。...